2011年に突如発表された「Jean Prouvé(ジャン・プルーヴェ)」とファッションブランド「G-Star RAW(ジースター・ロウ)」とのコラボレーション、その名も「Prouvé RAW(プルーヴェ・ロウ)」。
この意外とも言える異色のマッチアップを仕切ったのはヴィトラ社。プルーヴェの過去の傑作をオリジナルには無い現代的なカラーと、そして限定感のあるラベル付きで発売されました。
しかし私が予想するに全然売れていません。当時を振り返ってみれば分かるように、流行していたインテリアはどちらかというとインダストリアルなテイストがその時代は格好良く見えたはず。そして何よりも近年のような暮らしの中にまるでファッションのように良い家具をコレクションする、といった行為自体がまだまだ一般化していなかったことが大きかったと思います。
そして懲りずに(?)2015年には第二弾を発表。これは私も当時ネットですが見ました。この頃は世間的にも今からこの辺りのジャンルが熱いという流れが走り出した黎明期。しかし当時はオリジナルが今よりずっと安く買えたのと、そもそもの話コラボレーションの相手がロウであることがバリューになりずらい時期でした(大変失礼な話ですが)。よってこの第二弾もおそらく実売数は少なかったはずです。
そして今。時代は変わりました。これは当然インテリアだけの話ではありません。これまでのような「長い時間がその価値を証明したビンテージ物」と「勢いのある最新作」の二つの大きな価値基準の他に、第三の選択肢として「過去のリミテッドコレクション」という新たな価値観がコレクターズマーケットの中で誕生したように肌感覚ですが感じています。
そういった時流を意識した上でプルーヴェに限った話で言えば、このシリーズを敢えて選び、そしてそれが実際に空間の一部として他のプロダクトとセッションをする。そこに大変な「小粋さ」があるのではないかと私は思うのです。そしてこの新鮮且つモダンな価値観を確かなものとして支えているのは紛れもなく「ジースター・ロウ」の存在だと考えます。
これ、知ってましたか?探すとやっぱり全然ありません。
大きく分けると第一弾がグレー系が多くて、第二弾はグリーン系ですね。
この度入荷したのはスタンダードチェア4脚(第一弾)と、デスクランプ(ひとつは第二弾、もうひとつはG-Star RAWがブランド設立25周年を記念して作ったスペシャルエディション)です。



元々4脚全て販売用として集めたことは集めたのですが、2脚はやっぱりまだ販売せずに持っていようと思います。ショールームで使いたいので。
あとはなんとなくですけど、次はもうこの値段では難しいような気もしているんです。それくらい、これはまだ広く知られていないだけで実は相当なポテンシャルを秘めていると睨んでいますので。




あとこれは売り物ではないですがこんなのもショールームにはございます。

これも大変有名ですよね。ポテンスって言います。これも「Prouvé RAW」のもの。
チェアのランプもショールームにご用意ございますので気になる方は是非ご予約の上お越しください。又、もちろん発送もしていますので通信販売のご相談もメールにてお待ちしております。
最後に。特別な椅子やテーブル、棚、アートなどで彩られた空間はそれはそれは豊かなものです。クリエイターや著名人の自宅や仕事部屋を紹介している媒体をきっと目にされたことはあると思いますが、凄いことになっていませんか?あれはあれで勿論素敵です。しかしもっと現実的なホームファニシングの中にちょっとだけ紛れ込ませる、という切り口もまた個性や工夫、あと何より余裕を私は感じます。極端な例ですがプルーヴェのローテーブルに合わせるのはヨギボーだって良いんです。そういうリアルな生活感の中に溶け込んだ芸術は、美しさがまた全然異なる色を放ちます。