あけおめです

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あけおめです。(遅)

ロサンゼルスのアーティスト、シーシーさんから正月早々にパールのアミュレットがいくつか送られてきました。今回はやっと箱がついたり、ハンドサインにはなるけどこれがどのような物かと記されていたり、ようやくちゃんとしてきたな、という好印象な具合です。

パールの間にはマスタード色のシルク糸。小花柄のリボンはリバティのスカーフを裂いたもの。

最近全然会えていないというか、そもそもロサンゼルスの状況が完全には分からないのですが、友達たちの話だと今シーシーさんのアミュレットがかなり人気らしい。でも中でもナンバーワンなのは沢山のパールが連続したダブルのネックレスのシリーズで、4000ドルとかするんですけど売れてるって聞きました。でもそれは僕らメンズには関係ないシリーズなんで、今回のような例えばリボンがドッキングされていたり留め具がハンドメイキングによる歪な感じだったり、自分でも着用できる、やっぱり全開お祈り系のプロダクトで今年もいくかな。

このようなウェアラブルアートを身につけるスタイルが正直今私たちの風景にマッチするとは全く思ってないんですけど、なんとなくだけど、もっと他ジャンルの凄い人とか偉い人とか、そういうところから徐々に始まってそういうのがカッコよく見える空気に流れていく気はしています。多分。

っていうのを今鴨川で書いてる。千葉の鴨川。色々ホットなところは行ったりしましたけど、結果辿り着いたのはここ房総でした。

ホテル、素晴らしかった。バブル時代に建てられて、今もその当時の重厚感みたいなのが残ってる、ビンテージホテル。今多くの人々が求めているようなファッショナブルな、まるでセレクトショップのようなホテルのああいった垢抜けたカッコ良さは無い。けど、皇室御用達なのはやっぱり理由があって、分かりやすく言うとビンテージマンションでいうところのホーマットシリーズ的な。唯一無二の存在感。

バー。やばくないですかここ。オーシャン&プール&ツリービュー。まるで深夜の3分とかのショート番組で見るようなあれ。この瞬間だけはレアなナチュールワインが束でかかっても、この一本のアサヒと茹で落花生に負けると思う。

グレーのセーターにグレーのパンツ。腕には1960年代のオイスターパーペチュアルデイト。グラスを拭いてるマスターと波の音を聞きながらぶっちゃけ思った。俺カッケー。
ちなみにこの時計は売り物なんで、販売できます。それについては次回書こうと思ってたけど、いいやいっちゃおう。

リファレンスは1500。60年代の特定の年代にだけセットされていてOKな特殊プリントダイヤル。ご覧のようにROLEXのロゴがデカい。はい、ただそれだけ。ただそれだけの事だけど、些細であれば些細であるほど粋と称されるのがビンテージロレックス。だから、それだけの違いでノーマルよりも値が張ります。
でも個人的にはというか、デザイン的にはロゴがデカイ方が顔つきがモダンで好きですね。あとこの時代特有のホワイト気味のシルバーダイヤルがほんとうに素敵。上からクリアコーティングされてますんで(おそらく)個体によっては経年感が強く出ちゃう場合もあるんですが。これはかなり綺麗な方。というのも夜光が初めから無いタイプなんです。60年代でも初期の頃のトリチウムは強めなんで、その放射線がダイヤル劣化を引き起こす場合があるんですね。だからそれが無いとなるとこのように綺麗な顔のままであることが多い。

針も夜光無しで正解で、秒針もブルースチールがつきます。青焼きはすごく好きで、最近その青を削って落としてみたり、再度焼きで塗装してみたりしてるくらい、好き。
下半分の淵は黄ばんで見えますがこれもあるあるの経年で、正体は湿気ですね。全然許せる範囲です。ブレスは勿論リベットですが気持ち伸びてますかね。でもフルコマ。これも許容範囲かと。

最後に。周知の事実、近年は高級時計が美術品と同じ扱いを受け、投機対象となり、そしてオークションハウスもこれまでのような競売所からイベント屋となり、ハンマーされるプライスも金額ではなく親指マークの数に見えてくる程、ちょっと度が過ぎたお祭りになっていますよね。勿論若い大富豪からすればこれほどまでにアツすぎるファッションシーンはありませんから、全否定するつもりはありません。
でも、そういうサイクロンと化した渦の中には居ない、というかそことは完全無縁の、決してブランディングされた価値ではなくもっと根源的価値を持つ一本を身につけることが今かっこいいことに思えてもくる。

質実剛健さと、今見ると逆に余裕さすら感じさせ、さらにはビンテージロレックスとはそもそもオタッキーさがあるからかっこいいんだ、という根本的なことに気付かされる一本。です。

シンプルな装いにこういうの巻いて、マニアックだけどめちゃうまい鮨屋探すとか、なんかそういうことに意欲的になれるっていうか。活動を加えることでさらに一体感出るなって感じてます。写真は鴨川の鮨屋。元久兵衛の職人がこんなとこで地味にやってるのもまたかっこいい。

ひけらかす、ではなく隠す。そういうところにクリエイティブを感じる時代が来ると信じています。