今年弊社のウェブサイトをリニューアルして、後にやっぱりここはこうした方がよかったんじゃないかとか、今後改良したいポイントを考えている時に「部分的にイラストを混ぜるのは相性良いかも」と思うことがありました。そこでイラストレーターをどういう方に依頼するかで悩んでいた時、ふと昔の知り合いを思い出したんですね。
私は当時富ヶ谷に住んでいて、山手通りとの交差点にあるバーが一日の最終到着地でした。そこでよく映画の観賞会が開かれていて、そういうイベントを仕切っていたのが岡田さんという高校の美術の先生でした。当時はそのバーで開催されるイベントのチラシを描いていましたが、あれから10年、今岡田さんはどうしているのかなとインスタグラムで検索してみたら、なんと今はビックコミックの表紙を筆頭にあらゆる誌面でイラストを担当する人気者になっていたという。
そこでコンタクトを取って、ウェブサイトで使えるような素材をいくつか描いてもらいました。岡田さんはプロなので当然様々なタッチをクライアントに応じて使い分けるのですが、私がリクエストしたのはちょっとコミカルな「水彩画」。これは本当に不思議です。寄って見るとラフなラインやドットなのに、離して見ると急に血が通ったような生っぽさを感じるという。これは岡田さん曰く「不必要なことを削ぎ落としていったらここまでシンプルな描き方になった」とのこと。この手法はPOPEYE(ポパイ)やPen(ペン)といったファッション誌でもよく使用していますので、もしかしたら見たら分かる人もいるかもしれません。
そして先月マカオで久しぶりに友達のテリーと会った時、北京ダック食べ放題みたいななんとも豪華なディナーをご馳走してもらったのですが、たまたま目に入った彼のスマートフォンの待受けがポパイの表紙だったんですね。テリーは昔から日本のファッションが好きで、中学生の頃からポパイの大ファンということを思い出しました。そこで閃いたのがこのディナーのお礼です。彼のバイブルでイラストを担当している岡田さんに、テリーの似顔絵を描いてもらいプレゼントするのはどうだろうと。
そして後日、岡田さんの手によりすっかりあのタッチに変貌したテリーをメールに添付して送りました。作者はあなたのバイブルでイラストを描いている人です、という一文を添えて。そしたらちょっと深刻なくらい感動してくれて、何年も変わらなかったインスタグラムのアイコンも一瞬でこれに変わったんです。さらにそれを私がストーリーにトピックしたらそれを見た友達たちが「自分も描いて欲しい」と連絡してくれて、そこでこれはWolfandWolffのイベントにしてみたら面白いのかもしれないと考え、今回「icon」という企画を試みることにしました。
ということで、本日から8月6日までイラストのオーダー会「icon」を開催します。参加は簡単です。ショールームまで来ていただく必要はございません。今回の企画のために用意した専用のメールアドレスまでお名前と、描いてもらいたい写真を送るだけです。1ヶ月~2ヶ月後、ファイルを添付して納品いたします。お値段に関してですがケースバイケースになりまして、お目安としては税込55,000〜66,000円となります。お支払いは納品時に銀行お振り込みにてお願いしております。
専用メールアドレス ↓
icon.wolfandwolff@gmail.com




いかがでしょうか。きっとどこかで一度は見たことがあると思うんです。それくらい今岡田さんは引っ張り凧だということと、あとは純粋にイラストとミックスさせることがイケてる表現方法なのかもしれません、今のトレンド的にも。堅苦しさのあるプロダクトやテキストであっても、このイラストがちょっと入るだけで確かに急に華やかに、穏やかになると言いますか。
そして個人的には何よりネットとの相性が好きです。特に水彩画。私もこうやってウェブでの発信に常に悩まされておりまして、特にここ最近の心掛けとしましては、現代的なフォーマットでありながらいかにアナログに、いかに紙に近づけていくかがキーだと考えています。今このウェブマガジンのトップページはリニューアル準備中なのですが、新しいページではもっとイラストを駆使した雰囲気を検討しています。



オーダー可能な内容の範囲なのですが、まず自分や友人、子供やペットなど肖像画の場合、基本的に背景が消されたホワイトバックになります。そしてご希望であれば私やテリーのようにカラーでもやもやが付け足せます。もやもや希望の場合は「もやもや有り」とメール本文に付け加えてください。色は選べませんが岡田さんがイラストのイメージに合う色を見つけてくれます。
次に可能なのは車や楽器などといった物体。これも勿論可能ですが、例えば駐車場で撮影した車の背景にパームツリーや海を入れて欲しいといったリクエストの場合、そのイメージとなるような写真素材も併せて送ってください。岡田さんの方で少し工夫が必要な場合、アップチャージになる場合があります、ご了承ください。また、今回イベントで使用するスタイルは「水彩画のみ」とさせていただいております。
最後に、イベントを企画した当初は、岡田さんが描いたイラストをTシャツなどにプリントして洋服としてお渡しをすることを考えていました、もっとファッションらしく。しかしちゃんと冷静に考えてみると、結局データでもらうのが一番使いやすいんですよね。ラインやインスタグラムなどSNSのアイコンに使ったり、何にどう使おうがこのプロダクトは一向に劣化しません。Tシャツにしたかったら自身でデータを送って発注すれば良いだけの話ですから。何にせよ岡田さんに自分を描いてもらうなんてなかなかに激レアな体験です。そして逆も然り。岡田さんも大口の仕事以外で、こういったカジュアルなイベントへの参加はチャレンジングな経験だと言っています。8月6日(日)までです。是非この機会をお見逃しなく。