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先日、日本を代表する時計作家の一人「浅岡 肇」氏が手がけるカジュアルライン、「KURONO TOKYO(クロノ・トウキョウ)」の新作が届きました。ローンチのプレスリリースの見出しには「何故34ミリなのか」。ケース径の大型化が進む現在、とてもインパクトのある広告でしたし、値段も15万円(消費税別)と非常に魅力的でした。毎回基本的には予約を受けて数分でソールドするのですが、その予約のフォーマットというか仕組みや楽しませ方がとてもファッション的で面白いんです。外苑前のショールームにピックアップに行った際も動作確認や現物確認すら無し。まるでスニーカーのような黒いボックスに入った状態で引き渡しというちょっと常識ではあり得ない感じが新しく思いました。

(写真1)このようにペリペリが付いたボックス。お察しの方もいらっしゃると思いますが、そう、「開けない方が熱い説」。この時勢、もう何がいきなりどう跳ね上がるかわからないですし、なんならKURONO TOKYOではセカンドマーケットではプレミアが付いていたりしますので。でも要はメーカー側も敢えてそこに乗っかっているというか。未開封でもいけまっせと聞こえてくるあからさまな仕様なのが面白い。当然私は使う側なので躊躇なく開封しましたが。

(写真2)中身。色々入ってた。

(写真3)あれ、名前が入ってますね。急に転売防止感。うーん、どっちなんでしょう。でも使う側からすればこれはテンション高まるサプライズですね。

(写真4)箱をたくさん開いたらいよいよ登場。今回のシリーズは全4色あり、ダイヤルのデザインも2パターンありました。おそらく一番人気は濃いブルーのミッドナイトという色だと思うのですが、私はこのトープ系のグレーを選びました。

(写真5)34ミリ、めちゃくちゃ愛嬌があるサイズ感ですよね。ベゼルもステップするデザインで、往年のビンテージスタイルとなっています。そして肝心のダイヤルも中心のグレーから始まり、その枠に焼けたようなオレンジのラインが入り、インデックス部分はホワイトで一周、そして最後のミニッツをまたグレーで締める、といったカラーバランスもお見事。ただ一つ悩ませたのがインデックスが蛍光グリーンであること。ちょっと自分にはポップかなぁと。でもこのベルトなんかもブラックに白でステッチを浮かせていたり、裏側の革がベージュなので、おそらく最近のメゾンっぽい配色をそもそも狙っていたのかもしれません。ビンテージとメゾンのミックスがとにかくよく出来ていますし、これをあの浅岡さんがやっちゃうんだっていうそのギャップがやはり特別なのです。

(写真6)同じ独立時計師アカデミーに所属のF.P.JOURNEと並べてみました。全然サイズの印象が異なりますよね。ジュルヌは40ミリで、しかもケース径ギリギリまでダイヤル面積があるため体感的にはかなり大きいです。それにしてもやはりグレー系のダイヤルは今かなり好きですね、洗練されている感じが。

(写真7)最後はイクメンをした今日の格好。やはり作家モノの時計はシンプルなスタイリングでも個性が垣間見えますね。

        

     2023年5月25日